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「さえずる舌」 静かにこわい。 [小説]


さえずる舌 (光文社文庫)

さえずる舌 (光文社文庫)

  • 作者: 明野 照葉
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/03/12
  • メディア: 文庫



明野照葉著。あいかわらず著者の本は面白い。
女性の光と影、賞賛と嫉妬。いろいろ混じっていて大変楽しめました。

物語は何もかもがうまく行っている心理カウンセラー真幌がかつてカリスマ販売員と呼ばれたなぞの女性、芽衣を会社に採用してから始まる。
芽衣はあかるく、誰にも好かれる人物だが実は。。。

ほんとに芽衣みたいな人がいたら怖いです。

最後の終わり方はなんとなくすっきりこなかったけど(もっとダークに行けたのでは。。)

最後になぞがひとつ。プロローグの女性は誰なのでしょう?何をしたのでしょう?
彼女が実は真幌だたりしたらもっと怖いんですが。。[がく~(落胆した顔)]
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「キマイラ9 玄象変」 何年ぶりだろう。。でも。 [小説]


キマイラ9 玄象変 (ソノラマノベルス)

キマイラ9 玄象変 (ソノラマノベルス)

  • 作者: 夢枕 獏
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2010/08/20
  • メディア: 単行本


夢枕獏 著。
かれこれ20年以上付き合い続けてる小説。外伝である青龍変から4年半。本編だと8年ぶりに続きとして刊行。
やっと出たか。2日で読んでしまいました。

いい。改めて最高傑作のシリーズだと思った。人が獣に変じるのは。。物語の背景となるストーリもすごい。
また、特に戦いの場面。映像が浮かぶような描写。惚れ惚れします。まだまだ著者は老け込んでない。そんな感じを受けました。
早く続きが読みたいので今度はせめて2年以内に出してください。よろしくお願いします。
「新・魔獣狩り」「餓狼伝」も待ってます。

以下愚痴。

本シリーズは最初文庫本で出てました。
その後、ハードカバー本で再販(一部加筆修正あり)。その中のあとがきで今後はハードカバー→ノベライズ→文庫の形で出版されることになるってあったのでハードカバーで再購入したのに。。
新刊ノベライズではないですかーー。
本棚に並べてもガクって感じでそろってないのですが。。

まぁ。出版社がつぶれたりしたからしょうがないかもしれないけど。。ちょっと残念でした。

でも、内容は抜群。最後まで終わりまで書き続けてほしい。
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「砂漠」 懐かしき大学生活 [小説]


砂漠 (新潮文庫)

砂漠 (新潮文庫)

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/06/29
  • メディア: 文庫



伊坂幸太郎著。

大学生活。まだ将来に現実的な夢を持つことができ、時間に縛られず生活ができる4年間。
同じ大学に通う5名仲間。この仲間たちの他愛のない会話。遊び、ちょっとした事件が淡々とつづられている。
著者の作品はなぜか淡々とした文の気がするが心に残ります。

今回の作品を読んで大学生活で麻雀に時間を割いたこと、今ほとんど連絡しあわなくなった友人のことを思い出しました。

読んでると会話の中などからすごく著者が勉強している。日本語の使い方がうまいと関心させられます。
最後にちょっとした驚きもあるし。Good Job!

懐かしくも、どこか新鮮さがある小説でした。
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スワンソング ダメ男の物語 [小説]


スワンソング (角川文庫 お 49-6)

スワンソング (角川文庫 お 49-6)

  • 作者: 大崎 善生
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/06/25
  • メディア: 文庫



大崎善生著 著者の作品は「パイロットフィッシュ」以来。

携帯が普及していない時代、3年間つきあっている彼女がいる主人公。アルバイトで入ってきた由布子に惹かれ・・・
典型的な三角関係から元カノの自殺。以前から元カノとの関係と自殺によって精神的な病にかかる由布子を献身的に支える主人公・・・

ストーリーとしてはこんな感じ。全体的に哀しい雰囲気をかもしだして寂しい感じが伝わってきます。

ただ、よくよく考えるとこの主人公は典型的なダメ男だと思う。
彼女がいるのに他の女性に惹かれるし。元カノとはしっかり分かれないし。逃げるし。毎夜由布子に呼び出されてつらいつらいって言うなら一緒に住め!って一人つっこみしました。

現在から過去を思い出しさらにそこから過去にさかのぼったりするので少し時間軸がおかしくなります。
そこがちょっとマイナスポイント。

でも、この本読んでいるとどうしても「ノルウェイの森」を思い出してしまいます。著者はそこまで意識していたのであろうか。。。
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空白の叫び [小説]


空白の叫び〈上〉 (文春文庫)

空白の叫び〈上〉 (文春文庫)

  • 作者: 貫井 徳郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/06/10
  • メディア: 文庫


貫井徳郎 作 あの「慟哭」で衝撃なデビューをかざった作者の作品。
(ってずっと思われてしまう作者も大変だろうな。。)

著者の作品はよく読んでいるが久々内容がGoodな作品でした。好きな作品のひとつ。

物語は少年法改正前の14歳の少年が起こした殺人事件。
殺人を起こすまでの経緯(上巻)
少年院での殺人を起こしてからの生活(中巻)
少年院後の生活(中下巻)
作者得意の作風。三名の視点(別の人物の視点もわずかにあるが。。)でほぼ交互に書かれている。

最初上巻を読んでいたときには何が起こるかさっぱりわからない三名の生活が語られていただけだったのでその後の展開は予想外でしした。

上巻の途中までの感想とその後では自分の中で、感じ方がガラッと変わっています。
感情移入はできないけど、動機やその後の孤独感など理解できないことはないかと思います。

先日同年代の物語「耳をすませば」を観たばっかりだったので。。。
そのギャップにまた深く考えさせられました。


空白の叫び〈中〉 (文春文庫)

空白の叫び〈中〉 (文春文庫)

  • 作者: 貫井 徳郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/06/10
  • メディア: 文庫



空白の叫び〈下〉 (文春文庫)

空白の叫び〈下〉 (文春文庫)

  • 作者: 貫井 徳郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/06/10
  • メディア: 文庫



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「告白」 小説の方 [小説]


告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

  • 作者: 湊 かなえ
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2010/04/08
  • メディア: 文庫


湊かなえ作。

今映画が話題だけど小説の「告白」を読んだ。
感想。衝撃!!

複数の事件を各々登場人物が自分の視点で語りかける(手紙を書く)形で物語が進む。
中学生が起こした殺人事件の顛末。被害者である教師で母親の復讐のやり口。
バカの熱血漢だと思っていたもう一人の教師の裏側。。。

などなど、実際の事件は語りべからの切り口しか述べられていないので逆にリアルっぽく感じました。

共感できるところもあり、そこまでやるかというところもあり考えさせられました。

あとがきで映画監督のインタビュー記事が載っていたんだけど。その監督の感想に、登場人物がすべて本当のことを言っていない、嘘もあるのではないか。とういのがありました。

すごい、そういう考え方もあるのか(気付きませんでした)。そこまで考えて作品を作っていたら著者もすごいと思います。

実際そういう部分も含んでいるのであろうと今は思います。
映画も観てみようかな。
タグ:告白
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激流 [小説]


激流〈上〉 (徳間文庫)

激流〈上〉 (徳間文庫)

  • 作者: 柴田 よしき
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2009/03/06
  • メディア: 文庫



柴田よしき著
著者の本は初めて読んだ。中学の修学旅行で突然同級生が失踪・・・それから20年後、失踪した同級生から突然メールが「わたしを憶えていますか? 冬葉」 こわー[ふらふら]

面白い。読みやすいです。
失踪時同じ班だった同級生たちの20年後、芸能人、刑事、主婦、サラリーマン、キャリアウーマンなど。それぞれの人生描写もうまく書かれていて最後までどきどきしながら読めました。同じ世代の主人公たちだったので思わずうなずくこともあり、中学時代をふと思い出すこともできました[ビル]

物語の流れは、細かいことを各々主人公たちが順に思い出していき、点が線になっていく。矛盾もなくすっきり読むことができました。

女性描写がうまいと思ったら著者は女性だったんですね。
他の作品も読んでみたくなりました。

本の世界に没頭したい人はぜひ。上下刊2冊です。


激流〈下〉 (徳間文庫)

激流〈下〉 (徳間文庫)

  • 作者: 柴田 よしき
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2009/03/06
  • メディア: 文庫



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「私の男」 直木賞受賞作 [小説]


私の男 (文春文庫)

私の男 (文春文庫)

  • 作者: 桜庭 一樹
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/04/09
  • メディア: 文庫



桜庭一樹 著作
直木賞受賞作ということとタイトルに惹かれて購入。
内容は現在から過去に向かって腐野花とその義父、腐野淳悟との関係が明らかになっていく。その時々で起こる事件、禁断の親子愛に陥った背景が徐々に読者に伝わってくる。

タイトルと想像だけで読み始めるととんでもないことになります。
ダークな内容の小説は好きだけこの本で扱っている近親相姦に関してはNG。ダメでした。読んでて淳悟の行動に閉口させられ、読み終わって嫌悪感だけが残りました。
ここも作者の狙いにどっぷり使っているかも。

ただ、読んでて引き込まれることは必須(通勤時に読んでて降りる駅を通り過ぎたのは初めてでした[あせあせ(飛び散る汗)])このあたりが直木賞たるゆえんかな。

いろいろ考えさせられる小説。
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東京島 - 著者の新しい面発見。 [小説]


東京島 (新潮文庫)

東京島 (新潮文庫)

  • 作者: 桐野 夏生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/04/24
  • メディア: 文庫


東京島 桐野夏生 著

著者の小説は好きでよく読んでいる。女性のダークな部分を書かせたら日本一だと思っている。
そんな中新しく文庫になったので早速読んでみたら。。[exclamation&question]

なんかいつもと違うぞ。っと思いながら読破した。最後、解説を見て納得(それまではよくわからんかった)なるほど、純文学に分類される内容なのねー。ミステリーちっくなところがないので少し違和感があったのかもしれない。

でも、内容はGood。無人島に男31人、女1人。このような状態に陥ったときに女性はどう生きていくかを表現がすばらしく書かれている。著者のすごいところは普通こういう状況に近い内容の小説だったら若い女性を主人公にするところだけど、ちょっと中年にさしかかったしか肥満の女性として書かれている点。いいねー。キリノだねー。

最後まで楽しめました。
この本読んで「ふしぎな島のフローネ 」[リゾート]を思い出した人は、多分ぼくだけではないでしょう[どんっ(衝撃)]
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レディ・ジョーカー - 男性心理描写はすごいけど。。 [小説]


レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫)

レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫)

  • 作者: 高村 薫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: 文庫


「レディ・ジョーカー (上),(中),(下)」 3冊やっっと読みおわる。
高村薫 著
著者の作品は「マークスの山」「照柿」に続き読むのは3作品目。

感想。。読みづらかった。これが最初の感想。

なんたって1冊目の2/3まで事件がほとんどないプロローグ的な内容になっている。犯人が犯行を決意するまでの理由が永遠と記述されているような感じを持った。コレは小説初心者には厳しいかなと思う。
しかも、この前半のくだりあんまり最後の方関係ないし。。

物語は警察である合田、犯人である物井、半田、被害者である城山、犯行を取材する立場の根来、久保の視点から犯行を追っていくように構成されている。
ここがわかりづらくなる要因か、事件は時系列的に進んでいるんだけどそれぞれの立場から、しかも細かい心理描写を含めかかれているのでちょっとおなかいっぱいになっていくる。しかも全体的にくらーい気持ちしか書かれていないし。

あと、女性の登場人物の少なさも一員かも。今度は女性の心理描写が書かれた著者の小説も読んでみたいな。

しかし著者は合田雄一郎をこき落とすなぁと思った。
「マークスの山」でかっこいい刑事を描いたとおもったら「照柿」でストーカーにして「レディ・ジョーカー」で半分犯罪者にしてしかも男色の気までいれるなんて。。。
これはこれで改めて考えるとおもしろくって好きな部分でした。

いろんな男性の立場から見た考え方があるので少しは自分に置き換えて考えることができるかも。少し悩みがある時期に読んだら面白さ倍増だったかな。
今、自分は深く悩むこともない時期なので普通。。だった。

レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫)

レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫)

  • 作者: 高村 薫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: 文庫



レディ・ジョーカー〈下〉 (新潮文庫)

レディ・ジョーカー〈下〉 (新潮文庫)

  • 作者: 高村 薫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: 文庫



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